レンプクソウ科ニワトコ属 落葉低木または小高木
山野の林縁にふつうにみられ、湿気があって日当たりのよい所に多い。
樹形は下部からよく分枝し、枝は独特な弧形を描き、高さは6mほどになる。
幹の古い樹皮は黒褐色で厚いコルク質があり、深いひび割れが入る。
枝は褐灰色で皮目があり、若い枝は緑色。枝に太い髄があり褐色になる。
葉は対生し、奇数羽状複葉で長さ8~30cm、花のつかない枝の葉は長さ8cmの葉柄を含めて45cmになる。小葉は長さ3~10cm、幅1~3.5cmの楕円形、卵状披針形、広披針形、まれに披針形で、先端は鋭くとがり、基部は円形か円いくさび形になり、短い小葉柄があり、縁には細鋸歯がある。花のつく枝の小葉は2~3対、つかない枝のものは3~6対となる。
花期は3~5月。今年枝の先端に長さ幅とも3~10cmになる円錐花序をだし、小さい花を多数つける。
果実は長さ3~4mmになる球卵形の核果となり、6~8月に暗赤色に熟す。中に3個の種子が入る。
若葉を山菜として食用にすることもあるが、体質や摂取量によっては下痢や嘔吐を起こす中毒例が報告されている。
樹皮や木部を風呂に入れ、入浴剤にしたり、花を黒焼にしたものや、全草を煎じて飲む風習がある。