ソメイヨシノ

バラ科サクラ属 落葉高木

現代の観賞用のサクラの代表種として親しまれている。
エドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とするクローンである。
江戸末期から明治初期に、江戸の染井村に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された。はじめ、サクラの名所として古来名高く西行法師の和歌にもたびたび詠まれた大和の吉野山(奈良県山岳部)にちなんで「吉野」「吉野桜」として売られ、広まったが、藤野寄命による上野公園のサクラの調査によって、ヤマザクラとは異なる種の桜であることが分かり、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、「日本園芸雑誌」において染井村の名を取り「染井吉野」と命名したという。
樹高はおおよそ10~15m。
花弁は5枚で葉が出る前に花が開き、満開となる。花色は蕾では萼等も含めて濃い赤に見えるが、咲き始めは淡紅色、満開になると白色に近づく。萼筒は紅色でつぼのような形をしている。若い木から花を咲かすために非常に良く植えられている。実は小さく、わずかに甘みもあるが、苦みと酸味が強いため食用には向かない。

ソメイヨシノの花

観賞用に人気のソメイヨシノ