エノキ

アサ科エノキ属 落葉高木

雌雄同株で、高さは20m以上、幹の直径は1m以上になる。
枝が多く、枝ぶりは曲がりくねっている。根元で数本に別れていることもある。
樹皮は灰黒褐色。
葉は互生し、長さ4~9cmの卵形又は長楕円形で、先は尾状にのびている。若葉には両面とも毛が生えている。葉の質は厚く、縁は鋸歯状だが、先端まで葉脈が発達しておらず、丸みを帯びている。
花には雄花と雌花がある。葉と同時期(4月頃)に、葉の根元に小さな花を咲かせる。花の後ろに、直径5~6mmの球形の果実をつける。熟すと橙褐色になり、食べられる。味は甘い。

材は、建築用材、家具材、道具材、薪炭などに使われる。木材の質はやや堅いが、強度はそれほど強くない。また、狂いが生じやすい。辺材と心材の境が明瞭でない。風合いが似ていることから、ケヤキの代用とされる。
江戸時代には街道の一里塚として植えられた。