マムシグサ

サトイモ科テンナンショウ属 多年草

山地や原野の湿った林床に生える。形状に変異が多い多年草で、成長すると高さは50~60cmに達する。
葉は2枚あり、楕円形の小葉が7~15枚つく。
球茎は平たい円形で地下にある。
偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたもので、紫褐色のまだらな模様がある。この模様がマムシに似ていると考えられたところからこの名がつけられた。
雌雄異株。
晩春に、花茎を直立させて開花する。苞(仏炎苞)は紫色に近く、白線がある。なかには苞が緑色のものもあり、アオマムシグサまたはカントウマムシグサと呼ばれる。花のつき方(花序)は肉穂花序の代表例で、苞の中にまっすぐ立つ。花期は4~6月である。
果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付ける。
全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインが含まれる。特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こす。誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる。また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、重篤な場合死亡する。

マムシグサ

マムシグサ