ホオノキ

モクレン科モクレン属 落葉高木

大きくなる木で、樹高30m、直径1m以上になるものもある。
樹皮は灰白色、きめが細かく、裂け目を生じない。
葉は大きく、長さ20cm以上、時に40cmにもなる。葉柄は3~4cmと短い。葉の形は倒卵状楕円形、やや白っぽい明るい緑で、裏面は白い粉を吹く。互生するが、枝先に束生し、輪生状に見える。
花は大型で、大人の掌に余る白い花が輪生状の葉の真ん中から顔を出し、真上に向かって開花する。白色または淡黄色、5~6月ごろ咲き、芳香がある。ホオノキは花びらの数が多くらせん状に配列し、がく片と花弁の区別が明瞭ではないなど、モクレン科の植物の比較的原始的な特徴を受け継いでいる。
果実は袋果で、9~11月に赤く熟す。たくさんの袋がついており、各袋に0~2個の種子が入っている。

葉は芳香があり、殺菌作用があるため食材を包んで、朴葉寿司、朴葉餅などに使われる。また、落ち葉となった後も、比較的火に強いため味噌や他の食材をのせて焼く朴葉味噌、朴葉焼きといった郷土料理の材料として利用される。葉が大きいので古くから食器代わりに食物を盛るのに用いられてきた。6世紀の王塚古墳の発掘時には、玄室の杯にホオノキの葉が敷かれていたのが見つかった。
材は堅いので下駄の歯(朴歯下駄)などの細工物に使う。また、水に強く手触りが良いため、和包丁の柄やまな板に利用されたり、ヤニが少なく加工しやすい為、日本刀の鞘に用いられる。
樹皮は厚朴または和厚朴といい、生薬にする。

ホオノキの葉

ホオノキ

ホオノキの花

ホオノキの蕾